函館の食べ物と聞いて、何を思い浮かべますか?
イカやカニ、ホタテなどの海鮮、海鮮丼、ラーメン。おそらく、こうした名前が先に出てくる方が多いのではないでしょうか。
函館でコロッケを作っている私としては、そこにぜひ「コロッケ」も加えてほしいところです。
私自身、長くコロッケに携わってきて感じるのは、北海道の食材とコロッケは本当に相性がいいということ。じゃがいもはもちろん、肉や海の幸など、北海道のおいしいものをひとつにまとめられるのがコロッケのおもしろさでもあります。
そこで今回は、函館のコロッケにはどんな魅力があるのか、北海道の素材との関係や楽しみ方も交えながらご紹介します。
「函館=海鮮だけじゃない」。そんな函館の食の魅力を知るきっかけになればうれしいです。
目次
函館のコロッケにはどんな魅力がある?
そもそも「函館のコロッケ」と聞いても、普通のコロッケと何が違うのだろう?と思うかもしれません。
函館のコロッケすべてに共通する決まった材料や製法があるわけではありません。だからこそ、お店によって個性があります。
その中で私が魅力だと感じているのが、北海道らしい素材を生かしたコロッケを楽しめることです。
北海道は国内を代表するじゃがいもの産地。北海道庁によると、全国のじゃがいも収穫量のおよそ8割を北海道が占めています。男爵薯をはじめ、さまざまな品種が栽培されており、コロッケにも広く使われています。
なかでも男爵薯は、加熱するとホクホクとした食感になりやすく、コロッケやマッシュポテトと相性のよい品種です。
コロッケというと、衣のサクサク感に目が向きがちです。でも、作っている側からすると、中のじゃがいもの味わいはやはり大切。
口に入れたときに、衣の香ばしさのあとから、じゃがいもの風味やほのかな甘みが感じられる。私はそんなコロッケが好きです。
函館には海の幸もありますから、じゃがいもと海産物を組み合わせる楽しみ方もできます。
一見すると素朴な料理ですが、何を包むかによってガラリと表情を変える。それもコロッケの魅力ではないでしょうか。
函館と北海道のじゃがいも、実は深い関係があります
「男爵いも」という名前は知っていても、その歴史まで知っている方は意外と少ないかもしれません。
北海道庁の資料によると、男爵薯は明治時代、亀田郡七重の農場主だった川田男爵によって導入された品種です。
現在の七飯町周辺といえば、函館からも近い道南地域。
男爵薯の歴史をたどると、この地域とのつながりが見えてくるのがおもしろいところです。
私たち男爵コロッケ工房でも、北海道産の男爵イモを使ったコロッケを作っています。
男爵イモはホクホクとした食感が魅力ですが、コロッケにすれば何でも同じ味になるわけではありません。
じゃがいもの状態を見ながら蒸し、マッシュし、具材と合わせて形を整える。単純そうに見える工程ですが、実際に作っていると、素材の状態によって仕上がりの印象は少しずつ変わります。
だからこそ、じゃがいもそのもののおいしさをどう残すかは、私たちが大切にしているところです。
北海道の素材を使って函館で作る。
コロッケは派手な料理ではありませんが、土地の味を身近に感じてもらえる食べ物のひとつだと私は思っています。
函館ならでは!海の幸を楽しむコロッケも

函館らしさをもっと楽しみたいなら、海の幸を使ったコロッケにも注目してみてください。
函館といえば、やはり海の幸は外せません。
ただ、刺身や海鮮丼だけが海産物の楽しみ方ではないんですよね。
「海の幸をコロッケに入れたらどうだろう」
そう考えると、組み合わせはぐっと広がります。
カニ、エビ、ホタテなどをじゃがいもと合わせれば、じゃがいものやさしい味わいの中に海産物の旨みや食感が加わります。
私たちも、北海道産の男爵イモと海の幸を組み合わせたコロッケを作っています。なかでも「まるごと海鮮コロッケ」は、エビ・ホタテ・カニといった海の幸をじゃがいもで包み込んだ商品です。
また、カニの風味を楽しめる「函館カニクリームコロッケ」もあります。
こうした商品を作っていると、「函館=海鮮だけじゃない」という言葉を改めて実感します。
もちろん海鮮がおいしい街なのですが、その素材を別の料理に生かすことで、また違った函館のおいしさになります。
旅行先で海鮮をたっぷり楽しんだあと、「ほかにも函館らしいものを食べたいな」と思ったときにも、コロッケを思い出してもらえたらうれしいですね。
函館のコロッケは食卓やお土産にもおすすめ
コロッケのいいところは、特別な日だけの食べ物ではないことだと思っています。
夕食のおかずにもなるし、小腹が空いたときにも食べられる。パンにはさんでもいいですし、キャベツを添えれば立派な一皿になります。
冷凍コロッケなら、必要な分だけ調理できるのも便利です。
私のおすすめは、やはり揚げたて。
油に入れたコロッケの衣が少しずつきつね色になって、鍋から上げると「サクッ」とした衣に仕上がる。割った瞬間に中から湯気が立つところを見ると、作っている私でも食べたくなります。
ただ、冷凍コロッケは揚げ方で失敗した経験がある方もいるでしょう。
「衣が破れて中身が出てしまった」
「ベチャッとしてしまった」
そんな経験があると、家で揚げるのは少し面倒に感じてしまいますよね。
ポイントは、冷凍コロッケを解凍せず、そのまま適温の油で揚げること。たくさん入れると油の温度が下がりやすいため、一度に入れすぎないことも大切です。
揚げたてのコロッケを家族で囲むと、ちょっとしたごちそうになります。
また、函館らしい食べ物を遠方の方へ贈りたいときにも、冷凍コロッケなら選択肢のひとつになります。
海鮮そのものを贈るのとはまた違う、普段の食卓で気軽に楽しめる函館の味。そんなところもコロッケならではだと思います。
函館に来たらコロッケにも注目してみてください
函館には、おいしいものがたくさんあります。
海鮮を目当てに訪れる方が多いのも当然です。私も函館の海の幸は大好きです。
でも、コロッケを作る仕事を続けていると、「北海道の素材はコロッケと相性がいいな」と感じる場面が何度もあります。
ホクホクとしたじゃがいもをシンプルに味わうコロッケ。
肉の旨みを合わせたコロッケ。
そして、カニやエビ、ホタテなどの海の幸を組み合わせたコロッケ。
同じ「コロッケ」という名前でも、中身によって楽しみ方はずいぶん変わります。
私たちマルヒロ太田食品は1992年の創業以来、北海道産の男爵イモを使い、函館でコロッケを作ってきました。
作り手としては、観光で函館を訪れたときはもちろん、ご自宅でも「函館にはこんなコロッケもあるんだ」と味わっていただけたら何よりです。
函館といえば海鮮。
それは間違いありません。
でも、その次に「そういえば、函館のコロッケも食べてみたい」と思い出してもらえる存在になれたら。
今日もそんなことを考えながら、私たちは函館でコロッケを作っています。

